極上ランチをどうぞ

このブログで取り上げるのは2回目。
「レストラン虫狩」です。
札幌パークホテルの、元・料理長という虫狩シェフがオーナーのレストラン。
山鼻の高級住宅街にあり、一際モダンな外観が目を惹く素敵な雰囲気のお店です。
私もここの料理の大ファンで、年に数回必ず訪れます。
 

 

さてさて、前回はディナーでしたが、今回はランチタイムのメニューを紹介したいと思います。
もちろんランチとはいえ「虫狩」ですから、その内容は「充実」のひとこと。
毎回どのような料理が用意されているのかが、とっても楽しみです。 

プランは料金によって幾つか選ぶことができます。
ここはやっぱり一番「上」のをオススメしたいです。
その理由は、看板料理の「アワビまるごとステーキ」が食べられるから。
(ちなみにディナーコースでは、ランクを問わず全てにアワビがつきます)
 
 
それではさっそくご紹介。
なお、前段でも触れた通り、お料理は季節によって毎回異なります。
いわゆる「定番」に近いものもありますが、その際もアレンジが微妙に異なっていることもあります。
それがまたひとつの魅力。
あくまでこのブログの内容は、一例としてお読みください。
 
 

アミューズは三点盛りの場合が多いです。 
 

 
今回は、
「海老と帆立のバター焼き」
「人参のムース・生姜ゼリー添え」
「鰊のカルパッチョサワークリーム、グレープフルーツとともに」
 
虫狩はゼリー使いが得意。
この人参のムースは、ほんのりとした甘みと深い旨味が凝縮されており、かなりインパクトのある味。それをシャッキリとしたゼリーでまとめ上げるのがお見事です。
 
カルパッチョは、北海道名産の鰊(ニシン)です。
意外性のあるグレープフルーツとの組み合わせ。両者の酸味が融け合い、ごく僅かに感じられる苦味がとても上品です。香草とのマッチングも計算済み。
 
アミューズでこの完成度ですから、期待がどんどん高まります。
 
さてさて、次は虫狩の看板メニュー「アワビステーキ」です。
 

 
ソースが選べるのは今回が初めてでした。
ガーリックベースのものか、ムール貝ベースのものかの二択。
迷ったのですが、今回は後者にしました。
 
アクセントとして載せられたカラスミと、アワビ自体の風味、そして薄い色からは想像もつかないほどの「濃さ」をもったムール貝ベースのソース。この「三味」一体感は、まさに極上。
身と肝を交互に食べたのですが、それぞれがソースとカラスミによって「アワビ以上の何か」に引き上げられています。ただでさえ美味しい食材に、さらに魔法をかけてしまうのが虫狩シェフ。
 
以前もアワビに添えるソースについてお話させてもらったことがありますが、常に「アワビを美味しくする」ことに研究を重ねておられることがわかります。
今回のも、そんな研究の賜物なのでしょう。脱帽なのです。
 
 
次はパスタ。
これも何種類からの選択でした。
私が選んだのは「飯蛸のジェノベーゼソース」です。
 
 

 

なんといっても早春は飯蛸の旬。これを逃す手はありません。
ジェノベーゼソースは、バジルペーストに、松の実、チーズ、オリーブオイルを加えたもの。
パスタでは定番のソースですが…。
これまた美味しい!
海老とよく合うことは知っていましたが、蛸との相性も抜群でした。
香り高いオリーブオイルにまみれ、美しい光沢を放つ蛸。旨みがギュッと詰まっています。
アルデンテの歯ごたえと蛸の歯ごたえがリズミカル。
見た目も爽やかなグリーンで、視覚にも味覚にも嬉しい一品でした。
 
 
いよいよメインです。
魚介系、和牛系、ジビエ系の三種からのセレクトでした。
アミューズからずっと魚介できていましたので、最後は思い切ってジビエに。
今回は「阿寒から取り寄せたエゾ鹿のグリル、赤ワインソースとフォアグラのポワレとともに」
でございます。
 

 
エゾシカをこんなに美味しく食べられるなんて感動。
ミディアムレアの焼き加減で、程よい柔らかさが残されています。
もちろん和牛のような濃厚で旨みたっぷりの肉汁はありませんが、さっぱりとしたソースに大変良くマッチします。そして、そこにフォアグラ。淡白だけでは終わらせまいとする変化球が投げ込まれているのです。これと一緒に口に入れると、また別次元の美味しさが広がります。
上質なフォアグラの脂が、シカ肉本来の風味を最大限に引き出しながらも、じんわり包み込んでいくような未知の調和感。素晴らしいです。
 
 
デザートは「焼きリンゴのアイスクリーム添え」を選びました。
バニラの枝で香りを楽しんでください、との遊び心が楽しいです。
 

 
 
この上なく素敵なレストラン、虫狩。
ひとつもふたつも上の美味しさを、じっくりと愉しみたいときに。
 
 
 
 

大きな地図で見る